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お知らせ
宮城県岩沼市にある赤井江マリンホームでお話をお伺いしました。
2015.07.18

宮城県岩沼市の赤井江マリンホームを訪問させていただきました。

​弊社の主な営業地域が直面している、南海・東南海地震のような大規模地震に必要な対策は何か、
特に病院、老人福祉施設、障害者支援施設等の要援護者の方が入所する施設に
必要な火災も含めた防災対策について、過去から未来につながる教訓は何かを考えました。

宮城県岩沼市の特別養護老人ホームの赤井江マリンホームでは、
海岸からわずか250mしか離れていない施設でしたが、
東日本大震災の時に津波が襲来した施設は全壊しました。

しかし、お年寄りと職員144人が全員無事で奇跡的な脱出をしました。
一体どのようにして避難したのだろう、できた要因は何だったのだろう。
自分の目で、耳で、真実を確かめたくなりました。

そこで、平成27年7月に、震災から4年が経過し、
震災体験からどのような対策を復興された施設がとられているのか、
復興の歩みも含めてお話を伺いに施設を訪問させていただきました。




赤井江マリンホームの鈴木事務長にお話しを伺いました。

「災害は想定通りに発生しないし、計画に定めた対処によって
常に期待通りの効果は得られるとは限らない。被災した際の実際の対処は、
管理者と職員の反射神経(機敏な動き)と応用力(柔軟な介護の力)と決断(決断力)によるところが大きい。
その為には、危機への対処の方策について、あらかじめ検討を重ね、
日頃から継続的に対応を訓練しておくことが必要である。」

お話しの中では、大規模地震を想定して年2回の訓練は実施していなく、
火災を想定した通常の訓練のみ実施しているとのことでした。
しかし、避難時間を測ったり、訓練後の反省会で検討した内容を次回で実施したりして、
職員の自主的で懸命な訓練を実施していました。

前年のチリ地震での避難の反省もあったので、全員無事という素晴らしい結果になったとのことでした。
震災体験後の反省としては、津波の場合、「引き返えさないこと」、
「引き返させてはならない」ということや、備蓄食料品等の確保ということでした。

現在、内陸部再建された新しい赤井江マリンホームを運営されていますが、
その施設には震災対策を考えられたものになっていました。
居住、データ管理するのは4階建ての2階以上で行い、食料の備蓄庫を確保し、
緊急時には近隣の住民が施設の屋上まで避難できるようにしています。
その屋上搭屋部分には自家発電装置(4台、1週間分)、ガス台等の調理器具、
避難スペースを設けています。また、生活用水として毎分40ℓの供給できる井戸もつくられています。


鈴木事務長は、「高齢者に良くないのは、環境の変化もあるが介護の手が変わること」と言っておられます。
残った職員で再建まで繋げられたことは、今までの仲間だから気持ちが一体になれたことも考えられますが、
高齢者にとっても介護の手が変わらなかったことは精神的に良かった、とのことでした。

 

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